まず、コスト面を考えてみましょう。良いデザインができるならいくらかかってもいいという方なら、評判の良いデザイナーに真っ先に依頼するかもしれませんが、それほど景気がいいわけではない昨今、そのような方は珍しいでしょう。大抵どんな方でも、コストは低く、なおかつ良いポスターデザインを望まれるはずです。そこで、自分でデザインして、自分で印刷してしまえば安上がりになるという思いが生まれます。
しかし、ポスターを作る必要性がある以上、何かしらを宣伝する必要があるということであり、宣伝のためにはある程度のたくさんの枚数のポスターを用意する必要があるのではないでしょうか。店内などに貼らせてもらうにせよ、ポスティングするにせよ、発送物に同封するにせよ、宣伝のためには多くの枚数が必要になります。さて、そのたくさんの枚数のポスターを自前で印刷するのにかかるコストはどのくらいになるでしょう。例えば、大手比較サイトなどで一番売れているプリンターで想定してみます。
プリンター本体価格15,000円として、耐用年数4年で、一月当たり313円のコストがかかるとします。一枚当たりの印刷にかかる費用は、光沢紙16円、インクが8円、これにプリンターの償却費313円がかかり、総じて337円となる一方、大手のネットプリントと比較してみると一枚当たりの印刷費が22円、送料が90円(50枚以下の場合)かかり、総じて112円となります。ざっくりとした試算ですが、一枚当たりでこれだけ差があるということは、枚数が増えるほどコストにひらきが出ることになります。実は、家庭用プリンターは高コストなのです。
何百枚、もしかしたら何千枚の単位になるならば、その枚数が多ければ多いほど、印刷業者に頼んだ方がコストは下がります。コスト面だけ考えても、デザイナーには依頼しない、あるいはデザイナーには依頼しても印刷は自前で、という方針より、ポスターデザインは一貫してプロに依頼した方がいいという方針になるのではないでしょうか。
また、ビジュアル面を考えてみましょう。ポスターには、商品やサービスの情報をなるべく盛り込みたいものです。それゆえに、素人がデザインすると、文字ばかりの「読む」ポスターになりがちです。
プロのデザイナーによるデザインの特徴のひとつは、空間を有効に用いていることです。文字ももちろん使いますが、文字だけでなく、空間やイラストを用いて、売りたいと思っている商品やサービスの魅力を際立たせるようなデザインをしてくれます。空間があると、そこにもっと情報が詰め込める、と思ってしまいがちなのが素人ですが、その空間は、商品やサービスを魅力的に見せるビジュアルのひとつであるということです。
しかし、プロのデザイナーは、どのようなフォントを使い、どのように文字やイラストを並べるかによって、商品を手に取ってみたい、サービスを受けてみたい、というお客様の欲求を呼び起こすようなデザインを考えるのです。これには、こうすればうまくいくといったマニュアルがあるわけではありませんから、素人が体得するのは難しいことです。ポスターデザインの制作例を見てみるのも、参考になるかと思います。
お客様がポスターを見て商品を買いたくなる、サービスを受けたくなるようなデザインができるのは、やはりプロのデザイナーです。ポスターのビジュアルが売り上げに直接関わってくるならば、プロのデザイナーに「売り上げが上がる」ようなポスターをデザインしてもらい、売り上げを上げることが大きなメリットになることでしょう。
ぜひ、提供したい商品やサービスの魅力をデザイナーに最大限に伝え、魅力的なポスターデザインを制作してもらいましょう。
ビジネスを活性化するなら、PR活動の選び方が重要で、ポスターを使った方法は、コストと効果のバランスが優れています。ポスターの利点は、自由なサイズや色使い、取扱う対象といった自由度が幅広く、予算に合わせて印刷枚数が変えられる点にあります。
ポスターデザインは既存のデザインに限らず、新規に設計して制作出来るので、その部分もメリットになります。ポスターのコストは、制作にポスターデザイン費用を含むかどうか、そして印刷する紙の種類や大きさで決まります。目安としては、標準的なA4の倍の大きさ、A3サイズカラー印刷で数千円から1万円程度が基準です。1枚当りの価格は、光沢か半光沢が選べる普通紙が最も安く、屋外用印刷、粘着シートタイプの順に上がります。
更に、電飾用のフィルムや不織布バナーになると、価格は普通紙の倍程度に増加するので、これが価格の目安といえます。ポスターデザインの最大出力サイズは、印刷所の印刷機の性能で決まりますが、一般的にはB0サイズまで取り扱っているので、大きなポスターを制作したい場合に選べます。B0は短辺でも100cm超、長辺は150cm弱あるので、大きくデザインして制作したい場合に役立ちます。
ポスターデザインのコツは、人の目を引いて興味を持たせたり、伝えたいメッセージを明確にして、設計を進める方法にあります。通常、ポスターデザインといえばカラーが主流ですが、あえてモノクロを狙ったり、セピア色等で時代感や雰囲気を表現する事も出来ます。デザインをカラー制作で行いたいなら、写真を使うかイラストを選ぶ選択肢がありますし、被写体の種類を加えれば、もっと選択の幅は広がるでしょう。
重要なのは、見た人に何を伝えるかで、情報の広がりを求めたり、ビジネスの収益を増やす目的によってデザインの方向性は決まります。ビジネスが目的のポスターデザインは、企業の活動に興味を持ってもらう、自社の製品をPRしたり、利益の増加に結びつける目標が生まれます。デザインの方向性としては、文字よりも写真主体で引きつけるやり方が一つの方法です。具体的に説明するよりも、抽象的な表現方法なので、比較的技術が必要な表現方法といえるでしょう。
しかし、文字によって表現を制限しない点は、PRの効果を引き出す意味で有効です。一方、インパクト重視で制作を行うのであれば、大きな文字を前面に出して、小さな文字で説明を補足するやり方もあります。この表現は、少ない文字数でPR出来ますし、興味から次に繋がる切っ掛けになるので、PRの目的が理解されやすくなります。注意点としては、文字以外の表現力が弱まるので、興味を引きつける効果を持つ文字の選び方が、効果に影響したり左右する点にあります。大判のポスターであれば、デザインや表現の選択肢は多くありますが、小さいサイズは画面が限られますし、工夫が効果を倍増させる事もあり得ます。見方によっては、苦肉の策とも考えられますが、有効的に活用を行えば、単純に大判のデザインよりも効果が得られます。
小さな用紙にデザインする時は、限定された面積を活かし、特に中央部分の価値を最大限に引き出す事が重要です。人の視線は、見る対象によって変わりますが、見慣れない静的な印刷物に限ると、まずは中央から少しずつ見る範囲が広がります。中央部とその周辺は、一番最初に目に入る部分なので、ここに重点を置いてデザインを進める事がおすすめです。
用紙の選択肢が豊富な場合は、小さい用紙の印刷を大量に行い、数百枚単位で掲示する、数でPRするやり方が選べます。一見すると単純ですが、同時に複数の場所で掲示出来るので、時間単位における宣伝効果が増加します。この方法は予算が平均以上、ある程度余裕を持っている場合に有効で、ポスターデザインに変化や工夫を加えると、見る人に飽きさせないPRが行えます。大判用紙を使いたいなら、実在の人物写真を用いる方法がありますし、等身大で印刷出来る点が魅力になります。等身大のポスターは、人の表情や肌を隠す事が出来ないので、写真の時点で高品質に撮影したり、後から修正を加えて質を高める事が必要です。これらの費用は、コストを押し上げる原因になりますが、PR用途には最適なので、十分選択肢に加える意味があります。
違った方向性としては、変形サイズの印刷を検討するのも選択肢の一つで、通常は難しいパノラマサイズであったり、細長い長方形をデザインのベースにするやり方も考えられます。ポスターに面白いアイデアやインパクトがあれば、Twitter等をはじめとしたソーシャルメディアでポスターデザインが拡散され、二次的な宣伝効果を得ることも出来ます。
何れにしても、コストは選択する用紙と印刷の質、大きさの3条件でほぼ決まるので、予算に合わせて選ぶ事が必要不可欠です。コストや部数を重視する時は、家庭用やオフィス向けプリンターが使えますし、質より数を優先したい場合に価値を発揮します。
PR目的の印刷物の質は、見る人に被写体以外のメッセージも送る結果になるので、削減したコストが表面化したり、印刷の質が大幅に落ちないように注意する事がポイントになります。
ポスターとチラシは一見同じもののように思えますが、全く異なったものです。ポスターとは、掲示することによって、その内容を不特定多数の人に知らせるという役割があります。駅、広場、劇場、イベント会場など、人が多く集まる場所に掲載されるものです。特に駅などの場合は何度も繰り返し目にすることになりますが、人が動き回って行き来する場所なので、目を向けさせるのはなかなか容易なことではありません。
そこで、ぱっと目につく魅力的なイラストや写真の使用、全体のデザイン性、色使い、記憶に残るようなキャッチコピーの使用、などで目を引くものでなければいけません。しかし、工夫ばかりに捕らわれてしまっては、最も重要なポイントとなる、多くの人に分かりやすく情報を知らせる、ということが疎かになってしまいがちです。デザイン性で目を引き、分かりやすく記憶に残るような効果があるものを制作する必要があるのです。
では効果的なポスターデザインはどのようなものかというと、まず、何の目的で作ったものなのかを明確にするという事です。呼びかけたいのか、考えさせたいのか、宣伝したいのか、その目的を明確にすることです。
次に、端的に内容をまとめることです。大体10秒ぐらいで内容の主だった部分が相手に分かるように工夫します。なぜなら、人が立ち止まって掲示物などを見る時間の最長時間が大体10秒前後と言われているからです。
次に、レイアウトやデザインやタイトルにこだわることです。まずは目を引き付けないといけません。その1つの例としては、空白部分を残すことも重要だとされています。また、人の目を誘導するような矢印や番号などを使う事も効果的とされています。ポスターの利点は紙の大きさの自由度が高く、好きな大きさで作ることができ、縦書き横書きも自由なので、内容に合わせて適切な紙で制作するようにします。
次に、自分の個性を出すということです。既にあるものと同じようなものを作っても人の目を引くことは出来ません。独創性のある特徴的なものは、人の記憶に残りやすいものです。
では、チラシはどのようなものかというと、散らしが語源になっていて、宣伝などをかいたものをばら撒いていたことがその由来になります。また、新聞などに折り込んで配るチラシ広告としての印刷物でもあり、街中で配られているものや、ポケットティッシュに入っている小さなものもチラシといえます。これらのことから、チラシは、大量に印刷をされて、大量に消費をされるイメージがあります。
デザイン性としては、目を引くようなデザインや色使いのものが多いと言えます。ポスターデザインと少し異なってくるのは、その内容は商品や販売促進に対する直接的な内容が多いということです。見た人がお店や商品をイメージしやすく、すぐにその使用価値が分かるような内容だと効果が高いとされます。
街頭で配られているチラシなどは特にそうですが、手に取ってくれた人が興味を持って見ようと思えるような内容でなければ、すぐにゴミ箱行きになってしまいます。やはり興味を持ってもらう為にはまず、分かりやすくてインパクトのある見出しを付けることです。そこで目を引き付けることが出来なければその先の説明などは読んでもらえません。
そして、イラストや画像などを使用し、文章や言葉だけではなく視覚的に伝えたいことを理解させることです。この時、画質などにも注意をするべきです。やはり同じ内容でも綺麗な仕上がりのチラシの方が、効果は高くなってきます。
対してチラシは、持ち帰ることが出来るのですぐに捨てられないようにまずその場で目を引いて持ち帰らせれば、後でゆっくり内容の確認をすることができます。つまり、興味を持ってもらえれば、長い説明文や紹介分でも読んでもらうことが出来るということです。
その他にも、ポスターは全面が一目で分かりますが、チラシはそうではない場合があります。どういう場合かというと、チラシはチラシラックのようなものに重なって陳列されていることがあり、上半分しか見せられないことがあるからです。よって、チラシの場合はタイトルや見出しは1番上の部分に出来るだけ大きくレイアウトしたほうがいいです。一方全面が見えるポスターの場合はどこの部分にレイアウトをしても良いと言えるでしょう。
検索すれば何でも調べられる時代。画像や文章だけでなく、動画さえも見放題、世界中の人々と24時間通信できる世の中になってなお、わたしたちは旧来の文化を残し、あえて不便な媒体を使うことによって、普段とは違った効果をねらったりすることがあります。
そもそもポスターとは、情報を伝えるのに特化した一枚絵のことです。チラシやラベルのように大量生産して積極的に配るものではなく、壁や掲示板に貼り付けて、じっくりと見てくれるのを待つ、考えてみれば非効率的な媒体です。たとえば映画館を想像してください。宣伝用のポスターが壁に貼り付けてあるのがわかります。あれらはどうしてモニターに表示された画像ではいけないのか。どうしてわざわざ紙でなければならないのか、原点に立ち返って考えてみましょう。
既に説明した通り、ポスターとは情報を説明するために描かれた一枚絵のことです。厳密には絵が描いていなくてもいいのですが、多くの場合は絵と、伝えるべき文章が書いてあります。文章は簡素なものが多く、あまり長文で細々していないのが特徴です。チラシとは違い、ポスターは流し見する人のほうが多いので、ちらと見てすぐにわかるように詳細を省いて作ってあるのです。この点からいっても、WEBにはない機能、効果があることがわかります。
WEB情報とは、大まかにいえば文章の羅列です。時折画像があったとしても、大概の場合はどちらか(文章か画像)が主役であって、同居しているものは少ない。これはそもそもWEB機能が、情報の統一に特化していない媒体だというところからきています。WEBは、多くの情報をひと目で見、それらのうちから自分で好きなものをピックアップするという機能については優れているのですが、ひとつひとつを作りこみ、見る人に向け単なる情報以上の価値をもたせた画像、ないしは文章を表示するといった機能に関しては、断然紙(ポスター・チラシ)のほうが優れているのです。
たとえるならば、映画館とテレビの関係のようなものです。テレビは家にあるので、いつでも好きなときに見られる。しかし映画館で味わうような迫力や臨場感、興奮は得られない。
WEBで見た気になっていても、ポスターにはそれならではの工夫がされており、「楽しさ」でWEBに優っている。これが、WEB時代にあってなお紙媒体の情報が重視される理由のひとつです。
第二の理由には、時代性やライブ感といった要素があります。WEB情報は、一見して自由奔放に書かれた印象がありますが、実は度重なる校正を受けていて、発信者が大手の人間であればあるほど気をつけて書かれています。それに加え、WEBではあらゆる情報が一気に拡散します。校正に漏れがあれば一瞬で広がり、炎上、謝罪しなければならなくなるなど、昨今のWEB業界はたいへん身動きが取りづらい世界になっているのです。だから発信者は、情報を発信した後でも気が抜けず、アフターケアに追われる。無難に、無難にと変化していくのは、仕方のない現象だといえます。
一方で紙の場合は、もちろん法や規則に則って書かれるのは当たり前ですが、WEBよりは自由がきく世界です。街の壁に張ってるものを見て苦情を言う人は稀です。よっぽどのことがないかぎり、製作者にその苦情が届くことはありません。これがいわゆる生の声というやつで、ポスターにはその時代、その地域、その業界の声が如実に書き込まれているのです。よく、居酒屋などに昔の広告が貼ってあります。なぜあれらの絵が現代まで残っているかというと、独特の雰囲気があるからで、それは写真や画像では味わえない効果といえるでしょう。
時代性はこういったところに現れます。画像とは違い、紙媒体は時間の経過による価値付けが起きるので、昔に描かれた広告でも、現代では資料的価値、文学的、文化的価値があるといった事態になるのです。馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれませんが、こうしたことがあるからこそ、WEB時代にあっても紙の広告が廃れないのです。むしろ後になって、私たちの記憶に残っているのはむしろそういった時代遅れの媒体のほうかもしれません。
最後に、本当にWEBで何でもできるのか?ということに言及しておきましょう。検索ワードを打ち込めば何でもわかるような気になっていますが、実際の所、新聞社や出版社が直接書いている原稿でないかぎり、元をたどれない情報のほうがはるかに多いです。そして、この元をたどれないというのは、情報の価値をはかるうえで非常に重要になります。誰が書いたのかわからない、誰が作ったのかわからない多くの画像、動画は、見る分には楽しめるのでいいのですが、一度仕事に使うとなると、著作権や肖像権、特許、など煩わしい規則に頭を抱えることになります。それが現実の場合なら、たいてい製作者の名、記者、著者の名前がどこかに記されているので、本人もしくは出版元に確認を取ることが容易にできます。
どちらも一長一短だからこそ、共存し、現代まで廃れずに様々な媒体が残っているのです。私たちからしてみれば、退屈しなくていいんですけどね。