ポスターの役割について

チラシとポスターの役割の違いとは

ポスターとチラシは一見同じもののように思えますが、全く異なったものです。ポスターとは、掲示することによって、その内容を不特定多数の人に知らせるという役割があります。駅、広場、劇場、イベント会場など、人が多く集まる場所に掲載されるものです。特に駅などの場合は何度も繰り返し目にすることになりますが、人が動き回って行き来する場所なので、目を向けさせるのはなかなか容易なことではありません。

そこで、ぱっと目につく魅力的なイラストや写真の使用、全体のデザイン性、色使い、記憶に残るようなキャッチコピーの使用、などで目を引くものでなければいけません。しかし、工夫ばかりに捕らわれてしまっては、最も重要なポイントとなる、多くの人に分かりやすく情報を知らせる、ということが疎かになってしまいがちです。デザイン性で目を引き、分かりやすく記憶に残るような効果があるものを制作する必要があるのです。

ポスターデザインの役割とは

では効果的なポスターデザインはどのようなものかというと、まず、何の目的で作ったものなのかを明確にするという事です。呼びかけたいのか、考えさせたいのか、宣伝したいのか、その目的を明確にすることです。

次に、端的に内容をまとめることです。大体10秒ぐらいで内容の主だった部分が相手に分かるように工夫します。なぜなら、人が立ち止まって掲示物などを見る時間の最長時間が大体10秒前後と言われているからです。

次に、レイアウトやデザインやタイトルにこだわることです。まずは目を引き付けないといけません。その1つの例としては、空白部分を残すことも重要だとされています。また、人の目を誘導するような矢印や番号などを使う事も効果的とされています。ポスターの利点は紙の大きさの自由度が高く、好きな大きさで作ることができ、縦書き横書きも自由なので、内容に合わせて適切な紙で制作するようにします。

次に、自分の個性を出すということです。既にあるものと同じようなものを作っても人の目を引くことは出来ません。独創性のある特徴的なものは、人の記憶に残りやすいものです。

 

チラシデザインとは

では、チラシはどのようなものかというと、散らしが語源になっていて、宣伝などをかいたものをばら撒いていたことがその由来になります。また、新聞などに折り込んで配るチラシ広告としての印刷物でもあり、街中で配られているものや、ポケットティッシュに入っている小さなものもチラシといえます。これらのことから、チラシは、大量に印刷をされて、大量に消費をされるイメージがあります。

デザイン性としては、目を引くようなデザインや色使いのものが多いと言えます。ポスターデザインと少し異なってくるのは、その内容は商品や販売促進に対する直接的な内容が多いということです。見た人がお店や商品をイメージしやすく、すぐにその使用価値が分かるような内容だと効果が高いとされます。

街頭で配られているチラシなどは特にそうですが、手に取ってくれた人が興味を持って見ようと思えるような内容でなければ、すぐにゴミ箱行きになってしまいます。やはり興味を持ってもらう為にはまず、分かりやすくてインパクトのある見出しを付けることです。そこで目を引き付けることが出来なければその先の説明などは読んでもらえません。

そして、イラストや画像などを使用し、文章や言葉だけではなく視覚的に伝えたいことを理解させることです。この時、画質などにも注意をするべきです。やはり同じ内容でも綺麗な仕上がりのチラシの方が、効果は高くなってきます。

 

ポスターデザイン

また、ポスターとチラシの1番の違いは持ち帰れるか持ち帰れないかというところです。これらのことから、ポスターは掲示をしている場所に目を止まらせ、足を立ち止まらせて、短い時間で内容を伝える必要があります。

対してチラシは、持ち帰ることが出来るのですぐに捨てられないようにまずその場で目を引いて持ち帰らせれば、後でゆっくり内容の確認をすることができます。つまり、興味を持ってもらえれば、長い説明文や紹介分でも読んでもらうことが出来るということです。

その他にも、ポスターは全面が一目で分かりますが、チラシはそうではない場合があります。どういう場合かというと、チラシはチラシラックのようなものに重なって陳列されていることがあり、上半分しか見せられないことがあるからです。よって、チラシの場合はタイトルや見出しは1番上の部分に出来るだけ大きくレイアウトしたほうがいいです。一方全面が見えるポスターの場合はどこの部分にレイアウトをしても良いと言えるでしょう。

このように、ポスターとチラシは、どちらも全く違ったものですが、人に何かを伝えるという重要な役割を担っている、という点では同じ目的を持ったものだといえます。そして、これらをデザイン・制作する際には、その用途によってこの2つを使い分ける必要があるといえます。